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本ページ収録用語:液状シール材

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用語解説

液状シール材
液状シール材とは、部材と部材の隙間や接合面に塗布して硬化させることで、気体や液体の漏れを防止する目的で用いられる化学材料の一種です。英語では「liquid gasket」や「sealant」とも呼ばれ、自動車、航空機、配管、水回り設備、建築構造物など、多岐にわたる分野で使用されています。従来のガスケットやパッキンのような固体部品と異なり液状の状態で塗布可能であるため、複雑形状や微細な凹凸にも追従し、強固なシール性を発揮します。
●液状シール材の基本特性
液状シール材には以下のような基本的性質が求められます。
・高い密封性: 気体、液体の漏れを防ぐ。
・耐熱性・耐寒性: 使用環境に応じて幅広い温度範囲で安定性を保持。
・耐薬品性: 油、燃料、溶剤、冷却水など各種化学物質に対する耐性。
・柔軟性と弾力性: 振動や熱膨張に追従し、割れや剥がれを防止。
・接着性: 基材(金属、プラスチック、ゴムなど)との優れた密着性。
・耐久性: 長期間の使用でも劣化しにくい。
これらの特性は、使用される材料の組成や硬化メカニズムによって大きく左右されます。
●液状シール材の分類と種類
液状シール材は、その化学構造や硬化機構によりいくつかの種類に分類されます。以下に主なものを紹介します。
a. シリコーン系シール材
もっとも広く使用されている液状シール材のひとつで、耐熱性・耐寒性・柔軟性に優れます。浴室や洗面台などの水回りの防水処理、自動車のエンジン周辺などに用いられます。硬化タイプには以下があります。
・脱オキシム型(RTV-1): 空気中の水分と反応して硬化。扱いやすく、DIYや住宅用途でも多用。
・加成反応型(RTV-2): 二液混合タイプで、硬化速度や物性を調整しやすい。
b. ウレタン系シール材
柔軟性と接着力が高く動きの多い部材のシーリングに向いています。窓枠や外壁のシーリング、防音・防振構造など建築用途が中心です。水分硬化型と反応硬化型に分かれ、前者は湿気により硬化、後者は主剤と硬化剤の混合により硬化します。
c. アクリル系シール材
速乾性に優れ、塗装との相性も良いため、屋内での隙間充填や塗装前処理に使用されます。水系で取り扱いが容易であり、環境対応型製品も多く存在します。
d. ブチルゴム系シール材
粘着性が高く、硬化しない「非硬化型」が多く、再剥離可能な用途に適します。主に仮止めや電気部品のシーリングなどに使用。
e. エポキシ系シール材
高い強度と耐薬品性を誇り、金属部材の接着兼シールや高温部材の固定に使用されます。二液混合型が一般的で硬化後は非常に硬くなる。
f. 嫌気性シール材(液状ガスケット)
空気(酸素)が遮断されると硬化する特殊タイプ。ネジの隙間やフランジ部に使われ耐振動性に優れた高密封性を発揮します。
g. 硬化メカニズム
液状シール材は使用時は液体で、施工後に硬化してゴム状あるいは硬質のシール層を形成します。硬化メカニズムには以下があります。
・湿気硬化型: 空気中の水分と反応して硬化(シリコーン、ウレタンなど)。
・反応硬化型(二液混合型): 主剤と硬化剤を混合して化学反応により硬化(エポキシ、ウレタンなど)。
・加熱硬化型: 加熱により反応が進行(工業用・電子部品など)。
・嫌気性硬化型: 酸素が遮断された金属間で硬化(液状ガスケットなど)。
硬化時間や条件、接着対象により適したタイプを選定する必要があります。
●主な用途分野
液状シール材は極めて用途が広く、以下のような産業分野で使用されています。
a. 自動車・機械分野
エンジンのオイルパン、シリンダーヘッド、ギアボックス、冷却系統など振動や高温下での高い気密性が求められる部分に液状ガスケットが使用されます。また、トランスミッションなどのネジ接合部にも嫌気性シール材が有効です。
b. 住宅・建築分野
窓枠、サッシ、外壁の隙間充填、防水施工、タイル目地など、動きのある箇所や外部環境にさらされる場所で柔軟かつ耐候性の高いシーリング材が使用されます。色調や塗装適性も求められます。
c. 電子・電気分野
配線通路や電子機器の外装部分の防水、埃防止、耐熱処理。シリコーン系やエポキシ系が多く使われ、高信頼性が要求される分野です。
d. 水道・配管設備
水漏れ防止や継手部のシールに非硬化型または弾性硬化型のシール材が使われます。飲料水系統で使用される場合は、安全性や衛生性の認証(NSF、JWWAなど)も必要です。
●メリットと注意点
1. メリット
a. 複雑な形状でも完全に密封可能。
b. 作業性が高く、手軽に施工できる。
c. 固体ガスケットと異なり、保管や在庫管理が簡単。
d. 柔軟性があり、熱膨張や振動にも対応。
e. 使用条件に応じた多様な製品展開がある。
●注意点
a. 硬化時間が環境条件により変化する(温度・湿度)。
b. 一度硬化すると取り外しや再施工が困難な場合がある。
c. 塗布厚や量が適切でないと密封性が低下。
d. 接着対象物によってはプライマー処理が必要なことも。
●まとめ
液状シール材は、従来の固体シール材に比べてはるかに柔軟で、多様な用途に対応可能な高機能材料です。適切な選定と施工を行えば、長期にわたって高い密封性と耐久性を維持することが可能です。使用する環境、対象材料、求められる性能に応じて、化学的性質や硬化方式を見極めることが重要であり、近年では環境配慮型の製品や耐熱・耐薬品性を強化した高機能品も数多く登場しています。液状シール材は、今後ますます多様化する製品設計や高度化する施工ニーズに応えるため、進化を続ける重要な素材の一つです。



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