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本ページ収録用語:押す工法

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用語解説

押す工法
●押す工法とは何か
「押す工法」は、水道工事や下水道管工事、さらにはガスや通信ケーブルなどの地中インフラ工事において、開削(地面を大きく掘る)せずに地中に管路やケーブルを敷設するための非開削工法の一種である。特に、道路や線路、川などを横断する際に活用され、交通の妨げを最小限に抑える目的で採用されている。この工法は、掘削装置または鋼管を地中に「押し込む」力によって前方へ進め、所定の地点まで到達させるもので、簡易な手法から高精度を要求される特殊機械工法まで多岐にわたる。施工対象となる土質、埋設物の有無、掘進距離などによって最適な方法が選ばれる。
●押す工法の主な種類
押す工法には、施工条件や管の種類に応じて複数の手法が存在する。代表的なものを以下に示す。
1. 鋼管押込み工法
鋼管をジャッキで直接地中に押し込んでいくもので先端にビットを取り付けることで掘削と押込みを同時に行う。管の内部に土砂が残るため後から土砂の除去(泥水圧送やバケット掘削)を必要とする。比較的安価で導入でき、短距離向き。
2. ベビーモール工法(小口径管推進)
推進機を地中に挿入して掘削・排土しながら小口径管を挿入する方法。主に家庭用給水管やガス管など、直径100mm前後の小規模管に用いられる。施工速度が速く地表への影響も少ない。
3. 泥水式推進工法
推進管の前面を掘削しつつ発生する土砂を泥水とともに管内に引き込んで地上へ搬出する工法。掘削面の安定性に優れ長距離や大口径にも対応できるため都市部でのインフラ整備に適している。
4. 鋼製ケーシング押込み工法
鋼製のケーシング(鋼筒)を押し込みながら同時に中の土砂を掘削し最終的に中に配管する方式。地盤の崩壊が懸念される条件でよく用いられる。ケーシングはそのまま残す場合と引き抜いて再利用する場合がある。
●押す工法のメリット
押す工法には、従来の開削工法と比べてさまざまな利点がある。以下にその代表的な利点を整理する。
●地表の影響が少ない
道路や鉄道、既存の構造物の下を通す場合でも、地表を掘り返さずに済むため、交通規制や大規模な仮設工事を行わずに済む。これにより、社会的コストを大きく削減できる。
●騒音・振動が少ない
工法によっては比較的静音で作業できるため、都市部や住宅街でも施工が可能。夜間工事などにも適している。
●短期間施工が可能
適切な機材と施工計画をもって行えば、開削と比べて大幅に工期を短縮できるケースがある。特に小口径で短距離の布設では高効率である。
●押す工法のデメリットと課題
一方で押す工法にはいくつかの技術的・経済的な課題も存在する。
●方向制御が難しい
特に単純な鋼管押込みでは、土質や石の干渉によって進行方向がブレやすく、所定のラインから逸脱する危険がある。長距離推進では正確な制御技術が求められる。
●限定された地盤条件
砂質土や粘性土では適用しやすいが、玉石混じり、礫層、岩盤などの硬質地盤では掘削が困難となり機械選定や追加処置が必要になる。
●機材の導入コスト
高度な推進機や泥水処理装置などを必要とする場合、初期投資が大きくなることがある。短距離では費用対効果が悪くなるケースもある。
●現場での施工手順
押す工法における施工手順の一例を以下に示す(鋼管押込み工法を想定)
●発進立坑の設置
 推進開始地点に縦穴(立坑)を掘削しジャッキ台などの機材を設置する。
●鋼管の配置とジャッキ装着
 最初の鋼管を立坑に水平に設置し油圧ジャッキで地中に押し込む。
●掘進と土砂の排出
 管の先端が進行しながら掘削し内部に入った土砂は人力、バケット、圧送などで搬出する。
●次管の接続
 鋼管を継ぎ足しながら、目的の位置まで掘進を継続する。
●受け立坑の到達
 終点地点で受け立坑を設置し掘進した管を受け取る。
●内部の配管・埋戻し作業
 鋼管内に目的の本管を挿入し必要に応じて隙間充填や管内処理を行う。
●応用と最新技術動向
近年では、ICT(情報通信技術)やセンサー制御を取り入れた高精度な推進工法が登場しており以下のような展開が進んでいる。
・レーザー誘導装置による掘進管理
・GNSSを使った位置追跡
・地中障害物探知システムの導入
・自動掘進・遠隔監視型の無人施工

これらの技術は、より正確かつ安全な推進施工を可能にしており将来的には完全自動化施工も視野に入ってきている。
●まとめ
押す工法は、現代都市のインフラ整備において開削工法の限界を補う重要な非開削技術のひとつである。施工範囲や地盤条件、経済性を十分に考慮したうえで採用されれば社会インフラの効率的な更新と維持に大きく寄与する。技術革新によって施工精度や安全性も向上しつつあり今後さらに幅広い分野での応用が期待される工法である。



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